とりあえず銀行から借りてはみたものの、銀行とどのように付き合っていけば良いのやらと悩むことはありませんか?
借りるときだけ付き合えばよいやと思っていたら、大間違い。
これ以上借りられないどころか、最悪の場合、「すぐに返せ」と言われることもあります。
そこで、この記事では、もっと借入したいあなたのために、銀行との付き合い方のコツをお教えします。
借りっぱなしではなく、自ら情報提供する
銀行借入「あるある」は、借りる時までは必死に銀行に情報提供していたが、借りたら急に何も連絡しなくなってしまうこと。
「銀行から何も言ってこないからいいかな」と思いがちですが、銀行にとっては返済が大事なので、あなたの会社の状況を知りたがっています。
銀行からの連絡がないのは、銀行担当者が何十社も担当していて忙しく、連絡する余裕がないからです。
そこで、あなたから連絡して、会社の状況を報告すると、銀行担当者からありがたがられます。
また、「会社の状況をキチンと報告してくれる会社」と銀行に認識されて、信用も得られるので、追加融資の話も進みやすくなります。
特に支店長や担当者が変わった時は、書面でしか引継ぎされていない可能性が高いので、積極的に自社の事業の説明をすると、良い印象を持ってもらえます。
定期的に書類で情報提供する
最低限の情報提供は、毎年の決算が確定したときの決算説明です。
決算の数字を見せるだけでなく、数字の背景や理由の説明、来期の計画や資金需要の見込まで話してください。
特に資金需要の見込は、いつ、いくら資金が必要になるかを銀行に知らせることで、融資の話につなげやすいので、必ず入れてください。
年度決算だけでなく、四半期や月次でも決算や営業状況を報告できるとベストです。
また、説明する内容は必ず口頭だけでなく、書類でも渡してください。
銀行担当者が融資の稟議書を作成するときに、会社から入手した書類があると作りやすいからです。
銀行担当者は、口頭で聞いた話だけでは、誤解していたり、理解できていなかったりします。
そのため、稟議書を作成するときに、会社に確認する必要性が出てきます。
しかし、忙しい銀行担当者からすると、なるべく問い合わせを減らして、手間なく稟議書を作成したいところです。
書類で渡しておけば、銀行担当者は楽になり、問い合わせが減ってあなたも楽になります。
融資を受けやすい時期を狙う
銀行の支店は、9月と3月に営業成績を上げようと、融資姿勢が積極的になることが多いです。
これは、銀行が3月決算のため、上期4~9月、下期10月~翌年3月の期間の成績で、銀行の支店長と担当者が評価されるからです。
借りる側としては、9月か3月の融資を狙って、その1~2か月前から、銀行に融資を具体的にお願いすると良いです。
複数の銀行と付き合う
当然ですが、まずあなたの会社が借りている銀行とは、キチンと付き合うようにしてください。
ただ、もしまだ1つの銀行としか付き合っていないのであれば、複数の銀行と付き合うようにしてください。
銀行との付き合いにおいて、「一途な付き合い」は命取りです。
なぜなら、付き合っている銀行があなたの会社に今は好意的だったとしても、銀行は支店長が変わると、まるで別の銀行かのように融資姿勢が変わることがあるからです。
そして銀行は融資先との癒着が起きないように、支店長を2~3年で定期的に異動させます。
つまり、あなたの会社に好意的だった銀行から、突如冷たい扱いを受けるようになることは、十分にありえるのです。
ある銀行の融資姿勢が急に厳しくなっても、別の銀行から融資を受けられるように、複数の銀行と付き合い、リスクヘッジしておく必要があります。
次に付き合うべき銀行の種類
では、実際にどの種類の銀行と付き合うべきか。
都市銀行、地方銀行、信用金庫、最近ではネット銀行などさまざまな種類の銀行がありますが、どこと付き合うべきかは、あなたの会社の規模によります。
あなたの会社の規模にあわせて、具体的には、
- 年商 1億円以下 ・・・ 信用金庫・信用組合
- 年商1~10億円 ・・・ 地方銀行
- 年商10億円以上 ・・・ 都市銀行
と付き合う方が良いでしょう。
もし事業が拡大しているのであれば、今の年商規模にあった銀行だけでなく、拡大している年商規模にあわせても良いと思います。
たとえば、売上5000万円で、信用金庫と付き合っていたところ、売上が急激に伸び、1億円を超えてくるようであれば、地方銀行と付き合うようにしてもよいでしょう。
※詳しくは、下記の記事をご覧ください。
融資はどこから受けたら良い?あなたの会社がアプローチすべき銀行の種類とは?まずは保証協会融資を受け、プロパー融資のチャンスを窺う
最初の頃に受けた融資は、政府系金融機関以外は、「信用保証協会の保証付き融資」だと思います。
信用保証協会の保証付き融資とは、万が一、会社が返済できない場合に、会社に代わって信用保証協会が銀行に「立て替え払い」を行います。
保証付き融資であれば、最悪の場合でも、銀行は80%~100%の元本を回収できるため、ぜひ貸したいと思う融資案件になります。
もちろん信用保証協会の保証には、信用保証協会自身の審査があり、それを通過する必要はあります(信用保証協会は審査時に、複数行からの同時の申し込みを受けつけないので、会社から同時に複数行に依頼しないようにしてください)。
しかし、会社が融資を受け始めたばかりの時期は、まだ信用がなく、信用保証協会の保証なしに融資を受けることは難しい場合が多いので、積極的に利用すべきです(ちなみに中小企業・小規模事業者対象なので、大企業は利用できません)。
保証協会融資の限界
信用保証協会の保証付き融資は、無担保無保証の場合、原則として8000万円が上限です。
それ以上の金額を借りようとする場合、信用保証協会の保証が付いていない、銀行の「プロパー融資」を受ける必要があります。
プロパー融資は、万が一会社が返済できない場合の未回収リスクを銀行がすべて負うので、銀行は厳しく審査します。
すぐにはプロパー融資を受けられないかもしれませんが、保証協会融資で実績を積み、チャンスを窺ってください。
保証協会融資の上限に近づいてきたときに、既存取引銀行が提案してくる場合もありますし、新規営業で来た銀行が取引を始めたくて提案してくる場合もあります。
もし提案が来たら、ぜひ乗ってみてください。
一度プロパー融資を受けられると、他行からも受けやすくなります。
まとめ
以上が、より多く銀行借入をしていくための銀行との付き合い方です。
これらのコツを押さえて銀行と付き合えば、しない場合と比べて何倍もの借入ができるでしょう。
ただ、もし
- 自分がやると時間がかかって大変そうだ
- うちの経理担当者にできるか不安
- 借入は増やしたいが、銀行とはあまり密接に付き合いたくない
と思ったら、専門家に銀行対応を依頼することをおススメします。
要所では経営者のあなたが出ていく必要がありますが、銀行対応に使う時間を大幅に減らせます。
信頼できる専門家に銀行対応を任せて、あなたはビジネスに集中することができます。
私に相談したい方は下記から